2018年04月01日
先日、こんなニュースを見かけました。
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自民党の衆院議員が党内の会議の場で「マタニティーハラスメント」とも受け取られかねない発言をしていたことが29日、分かった。
自身が運営する保育園で採用直後に妊娠した女性看護師について「人手不足で募集したのにいきなり産休に入るって、それは違うだろうと言った瞬間に労基(労働基準監督署)に駆け込んだ」などと述べたという。
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ちなみに、厚生労働省 都道府県労働局が出している「職場でつらい思い、していませんか?」というパンフレットの中ではマタハラの「状態への嫌がらせ型」として、
「先輩が「就職したばかりのくせに妊娠して、産休・育休をとろうなんて図々しい」と何度も言い、就業意欲が低下している。」
という例が挙げられています。
上記の発言がマタハラになるかどうかは、実際どのような言い方をしたのか、女性労働者は応募時に妊娠していることを知っていて隠して入社したのか等の背景がわからないので何とも言えませんが、状況次第ではマタハラになる可能性はあると思います。
個人的には、妊娠している労働者に「それは違うだろう」と言ったところで事態が好転するわけではなく、不要なことを言ったな、という思いもあります。
しかし、このニュースには難しい問題が含まれていると思います。これがマタハラとなれば、企業の中には「妊娠する可能性のある年齢の女性を採用するのは控えよう」という動きが出てきて、女性の活躍という働き方改革の流れと反することになってしまいます。
一方で女性側のモラルの問題として、転職したらしばらくは妊娠しないようにする、という考え方もありますが、「しばらく」の概念が半年でいいのか、1年、または3年なのかは企業によってそれぞれですし、やむを得なく転職したものの年齢的にも高齢で妊娠を焦っている女性にセーブを求めるのは人道的な問題もあるように思います。
即効性のある解決案はありませんが、お互いが非難をしあうだけではなく、どうすれば働く人全員が活躍できるのか、知恵を出し合える社会になればいいなと思います。