2018年04月05日
厚生労働省から「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会 報告書」が発表されました。
以前に発表された「職場のいじめ・嫌がらせに関する円卓会議ワーキンググループ報告書」から内容的に大きく変わった点はなさそうですが、指導とパワハラの線引きが難しいとの意見が多いことを受け、パワハラ概念の具体化が図られました。
【職場のパワーハラスメントの要素】
①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
<例>
・職務上の地位が上位の者による行為
・同僚又は部下による行為で、当該行為を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
・同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの
②業務の適正な範囲を超えて行われること
<例>
・業務上明らかに必要性のない行為
・業務の目的を大きく逸脱した行為
・業務を遂行するための手段として不適当な行為
・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える行為
③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
<例>
・暴力により傷害を負わせる行為
・著しい暴言を吐く等により、人格を否定する行為
・何度も大声で怒鳴る、厳しい叱責を執拗に繰り返す等により、恐怖を感じさせる行為
・長期にわたる無視や能力に見合わない仕事の付与等により、就業意欲を低下させる行為
一方、防止策を法律で企業に義務付けるかどうかについては結論を見送りました。
さらに顧客や取引先からの著しい迷惑行為(いわゆるカスハラ)にも触れられ、今後も実態把握や議論を深めていくことが必要である、と書かれています。
詳細につきましては、「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会 報告書」をご覧ください。