2025年10月03日
いきいき職場通信 2025年10月号
ハラスメント&メンタルヘルス(セルフケア)をテーマとした従業員様向けニュースレター「いきいき職場通信」2025年10月号を作成しました。
よろしければ、社内webやE-mailで従業員様に展開する、社内の掲示板等に貼る、社内報の材料等として使用する(Wordでダウンロード出来ます)などでご利用ください。
【ハラスメント】次のマンガを読んで、問題について考えましょう
<背景>
若手社員のAさんは日ごろから遅刻が多く、この日も寝坊で遅刻をしてしまいました。上司のB課長は特段の事情がないことを確認したうえで「もう遅刻をしないよう対策してほしい」と要望を伝えました。しかし、Aさんは「遅刻したくてしている訳ではないのに『ミーティングに影響が出た』など責めるようなことを言われて苦痛だ。これはパワハラではないか。」と感じています。
<これってハラスメント?>
B課長の言葉はパワハラの3つの要件に当てはまるか考えてみましょう。
①「優越的な関係を背景とした言動」に 当てはまる・当てはまらない・微妙
理由:
②「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」に 当てはまる・当てはまらない・微妙
理由:
③「労働者の就業環境が害される」に 当てはまる・当てはまらない・微妙
※あなたがAだったら、就業上、見過ごせない程度の苦痛を感じるかどうかで考えて下さい
<答えと解説>
パワハラではない
職場でのやり取りの中には、時に「注意を受けてつらかった」「責められた気がする」と感じる場面があります。しかし、その「つらさ」や「苦痛の感覚」が即座にパワハラにあたるわけではありません。パワハラの要件の一つ「労働者の就業環境を害する」かどうかは「平均的な労働者の感じ方」を基準としており、受け手が苦痛と感じたらパワハラになるわけではありません。
今回のケースは、明らかに業務上必要な指導であり、人格を否定したり、威圧的な態度で叱責したりしているわけでもなく、上司として当然求められる範囲の対応です。パワハラは、業務上必要な範囲を超えた言動や、継続的な人格攻撃・過度な叱責などに該当するものです。
ごく一部の労働者の中には、ハラスメントを「自分が嫌な思いをしたときに、自分に代わって他の人が解決してくれること」と捉えている人がいますが、そのように扱ってしまうと、本当に守るべき被害事例との線引きがあいまいになり、組織にとっても働く人にとっても不利益になります。
パワハラと適切な指導を混同したり、ハラスメントを濫用したりせず、正しく理解・運用することが、安心して働ける職場づくりにつながります。
【メンタルヘルス】「秋の夜長」のリフレクション習慣
秋が深まり、夜が長く感じられる季節になりました。日が暮れるのが早くなると、どこか気持ちが沈みがちになる方もいるかもしれません。しかし、この「秋の夜長」は、自分自身と向き合うよい時間でもあります。
一日の終わりに少し立ち止まり、今日を振り返る習慣を持つことで、心の整理ができます。たとえば「今日嬉しかったことを三つ書き出す」「頑張った自分をひとつ認める」といった簡単なリフレクション(振り返り)がおすすめです。特に書き出すことは、頭の中のもやもやを外に出し、気分を落ち着ける効果があります。
また、夜の時間を「自分を労わるひととき」として使うことも大切です。好きな音楽を静かに聴いたり、温かい飲み物を味わったり、短いストレッチをしたり――小さなことでも心身のリセットにつながります。眠る前にスマートフォンを手にする代わりに、紙にペンを走らせる習慣に切り替えてみるのも良いかもしれません。
忙しい日々の中で、振り返る余裕を持つのは簡単ではありませんが、ほんの数分でも「夜の自分時間」をつくることで、明日への気力が少しずつ蓄えられます。今年の秋は、夜の静けさを味方にして、自分を見つめ直す習慣を取り入れてみませんか。